空き家を売りたいときに検討したい!2つの売却方法をご紹介
使い道のない空き家を相続したときは、迷わず売却を検討しましょう。
ただ、空き家の売却方法にはいくつかタイプがあるので、事前に確認しておかなければなりません。
そこで今回は、空き家を売りたいときに検討する現状売却と更地売却の特徴とともに、かかる費用や税金をご紹介します。
空き家を売りたいときに検討する「現状のまま売る方法」とは
空き家の売却方法として、まず挙げられるのは「現状のまま売る方法」です。
家の状態が良ければ「中古物件」扱いとなり、古くて住めないなら「古家付き土地」として売却します。
空き家を古家付き土地として売りたいときは、以下のメリットを押さえておくと良いでしょう。
古家付き土地として空き家を売るメリット①解体費用がかからない
空き家を現状のまま売却すれば、建物を取り壊す手間や費用が省けます。
解体費用が発生しない分、売却価格も安くできるため、買い手が付きやすくなるはずです。
ただ、買主によっては、さらに価格交渉されたり、解体費用の負担を求められたりする可能性があります。
空き家を現状のまま売りたいときは、このようなリスクを考慮したうえで検討しなければなりません。
古家付き土地として空き家を売るメリット②固定資産税が安くなる
土地に建物が付いているケースでは、固定資産税の軽減措置特例が適用されます。
敷地面積の200㎡までなら6分の1、200㎡を超える部分については3分の1の軽減税率が適用可能です。
現状のまま空き家を売れば、維持費としてかかる固定資産税を安くして売却活動に臨めるでしょう。
古家付き土地として空き家を売るメリット③ローンが利用できる
空き家を現状のまま売ると、買主が住宅ローンを利用できます。
買主側の資金繰りに有利な条件が整うため、購入希望者も現れやすくなるでしょう。
土地のみを売るよりも早期で売却しやすくなるので、空き家をすぐに売りたい方は現状売却を検討してみることをおすすめします。
古家付き土地として空き家を売るメリット④契約不適合責任
空き家を売りたいときは、古家付き土地として売却すると契約不適合責任を免責できます。
物件の引き渡し後に建物の不具合があっても、売主は責任を追及される心配がありません。
契約時には「建物について一切の責任を負わないものとする」など、契約不適合責任免責の条文を明記しておきましょう。
空き家を売りたいときに検討する「更地売却」とは
空き家を売りたいときは、建物を解体して更地売却する方法もあります。
土地のみの不動産売却には以下のようなメリットがあるので、事前に確認しておきましょう。
空き家を更地売却するメリット①活用がしやすい
空き家を更地売却すると、賃貸物件として貸し出したり、駐車場をつくったりと活用の幅が広がります。
住宅購入だけでなく、あらゆる方に物件をアピールできるのは大きなメリットでしょう。
さらに更地売却は、新築を検討している方に対しても利点があります。
土地の大きさを把握しやすく、工事もすぐに始められるので、転勤などでマイホームの購入を急いでいる方にも重宝するでしょう。
流動性を意識して不動産を売りたいときは、現状のまま売却するより更地として売却するほうが向いています。
空き家を更地売却するメリット②土地の状態を把握できる
更地売却では、土地の大きさだけでなく状態についても確認可能です。
土壌や地盤調査などが容易にできるため、買主にとっても安心材料となるでしょう。
古家付き土地として売却してしまうと、このような調査ができず、住んでから不具合に気が付く可能性があります。
地盤改良には高額な費用が発生するので、売却前に土地の状態をチェックして引き渡し後のトラブルを防ぎましょう。
空き家を更地売却するメリット③建物の維持管理費が発生しない
空き家の売却には、修繕費やメンテナンス費などの維持管理費がかかります。
できる限り経費をかけずに空き家を売りたいときは、古家付き土地として売却するより更地売却が良いでしょう。
ただ、建物を解体してしまうと、固定資産税の優遇措置が受けられなくなります。
土地の固定資産税が最大で6倍になってしまうおそれもあるので注意が必要です。
空き家を更地売却するメリット④隣家との境界問題が発生しにくい
建物を取り壊してしまえば、隣地と境界線の問題で悩む心配が少ないです。
土地の大きさや状態も把握しやすくなるため、さまざまな近隣トラブルを避けられるでしょう。
しかし、土地の面積が大きいケースでは、高額な出費となります。
不動産売却で家計を圧迫させないように、資金計画はしっかりと立てておかなければなりません。
空き家を売りたいなら知っておきたい費用
空き家を売りたいと考えているなら、売却時にかかる費用や税金を知っておきましょう。
空き家の売却で必要な費用は、主に「相続登記費用」「譲渡所得税」「解体費用」の3つです。
どのようなときに発生する費用なのか、それぞれ用途を確認しておく必要があります。
空き家の売却で必要な費用①相続登記費用
空き家を相続したら、不動産の名義変更が必要です。
それらの手続きは「相続登記」と呼ばれ、2024年4月1日に義務化されました。
相続を知った日から3年以内に相続登記をおこなわなければ、10万円以下の罰金が科せられるので、忘れずに手続きをおこないましょう。
相続登記費用には、書類の取得費や登録免許税、司法書士への依頼料などがあります。
書類取得費に2万円ほど、司法書士への依頼料に5万〜8万円ほどかかるので、まとまった資金は事前に用意しておくのがおすすめです。
なお、登録免許税は「固定資産税評価額の0.4%相当額」がかかります。
空き家の売却で必要な費用②譲渡所得税
譲渡所得税は、不動産売却で利益が出たときに発生する税金です。
支払う金額は利益に税率をかけて計算しますが、不動産の所有年数に応じて税率が異なります。
空き家を所有してから5年以上のケースでは、所得税率が15%です。
一方、5年未満だと30%になり、支払う税金が高くなります。
このように、空き家の所有年数が短いと、税負担が大きくなる可能性があるため、不動産を売りたいときにはその点にも注意しましょう。
空き家の売却で必要な費用③解体費用
解体費用は、空き家を解体するための費用です。
更地として空き家を売りたいときは、解体費用が高額になることを押さえておきましょう。
家の広さや建材・周辺環境などによって費用は変わりますが、木造住宅で坪単位3万〜4万円が相場です。
一般的な一戸建てなら、解体費用で100万円ほどかかることを覚えておく必要があるでしょう。
相続した空き家を売りたい方は、売却にいくらかかるのか事前に調べておくと安心です。
また、自治体によっては、解体の補助金が出る可能性があります。
条件や金額の上限は市町村ごとに異なりますが、解体費用の半額が補助金として出る可能性もあり、そのようなケースでは大幅なコストカットが見込めるでしょう。
空き家を更地として売りたい方は、事前に利用できる制度も調べておくことをおすすめします。
まとめ
空き家の売却方法は、古家付き土地として売る方法と更地売却の2種類です。
現状のまま売却すれば解体費用が抑えられ、更地として売却すると活用の幅が広がります。
空き家の売却でかかる費用には相続登記費用や譲渡所得税、解体費用があるので、事前にある程度の資金は用意しておきましょう。