事故物件を相続した際の固定資産税について!計算と減額の方法を解説


事故物件を相続した場合には、精神的な負担にくわえ、固定資産税などの金銭的な悩みを抱える方も少なくありません。
とくに、固定資産税の金額や免除の可否については、あらかじめ仕組みを理解しておくことが大切です。
また、空き家のまま放置すると税負担が増すケースもあるため、対応の遅れには注意が必要です。
本記事では、事故物件を相続した際の固定資産税に関する基礎知識や、減額の可能性について解説いたします。
事故物件の相続と税の注意点

事故物件でも固定資産税は、原則として課税されます。
心理的瑕疵は税法上考慮されないため、通常の住宅と同じ扱いです。
さらに、空き家のまま放置すれば軽減措置が外れ、税額が跳ね上がる恐れもあります。
相続したら早めに管理方針を決め、不要な負担を防ぎましょう。
事故物件に対する免税の有無
事故物件であっても、標準税率1.4%が適用されます。
市区町村の条例で1.4%より低く設定している地域も増えていますが、税率自体が変動するわけではありません。
住宅用地特例により、200㎡以下は課税標準額が6分の1、超過部分は3分の1になる点は通常物件と同じです。
ただし、適用には居住実態や登記情報の確認が必要で、空き家と認定されると特例そのものが外れます。
「特定空家」に指定されれば軽減措置は失われ、土地の税額が最大6倍になるため、適切な維持管理が不可欠です。
固定資産税の納期は、年4期が一般的で、延滞すると延滞金が付きます。
計画的に納付するためにも、早めに税額を把握しましょう。
相続放棄を選択する場合の注意点
相続放棄は、開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述書を提出することで成立します。
物件のみを切り離すことはできず、預貯金や負債を含むすべてを放棄する点には注意しましょう。
期間内でも処分行為をおこなうと単純承認と見なされるため、片付けや賃貸募集を始める際は専門家の指示を仰ぐことが大切です。
放棄後に納税通知書が届いた場合は、受領後すぐに放棄受理証明書を添えて市区町村へ提出し、課税の取消しを求めると誤課税を防げます。
なお、相続放棄後でも管理責任が完全に免除されるまでには時間がかかる場合があり、郵便物の受け取りや近隣への説明など、一定の対応が求められるケースがあります。
物件価値と固定資産税の関係
事故物件は、心理的瑕疵により市場価格が2~3割下がるケースが多いですが、固定資産評価額は建物の構造・床面積や地域ごとの標準建築価格を基に算定され、市場動向とは連動しません。
見直しは3年ごとにおこなわれるため、事故直後に評価額が急落することは多くありません。
土地の評価は地価公示や利用区分がベースとなるため、用途が変わらない限り大幅な減額は期待しにくいのが実情です。
評価額を下げたい場合は、不動産鑑定士による価格調査報告書を添付して再評価を求める方法もありますが、手数料や時間がかかる点に考慮してください。
事故物件の固定資産税計算方法

固定資産税の計算は評価額×税率が基本です。
事故物件でも数式や適用特例は同じで、手順を理解しておくと、納付額のシミュレーションが可能になります。
計算例を知っておくと、売却時の譲渡益課税シミュレーションにも役立ちます。
建物の評価による課税額の算出方法
建物の評価額は、再建築価格方式により算定され、同等の建物を新築した場合の価格に経年減点補正率を掛け合わせます。
たとえば、築20年の木造住宅なら新品価格の約3~4割が評価の目安です。
ここに、標準税率1.4%を掛けた数字が建物分の税額となり、住宅用地の軽減措置が適用されれば総額はさらに下がります。
評価替えは3年に一度実施されるため、そのタイミングで老朽化が反映されれば、負担軽減につながるでしょう。
木造以外の鉄骨造やRC造では減価のペースが異なるため、構造ごとの補正率を確認しないと想定税額と実際の通知額がずれることがあります。
空き家として保有する際のリスク
管理不足の空き家は、多面的なリスクを抱えています。
倒壊や外壁落下による損害賠償
放火や不法侵入など防犯上の危険
草木の繁茂や害虫発生による近隣被害
行政指導や改修命令、罰金
特定空家に指定されると、土地の固定資産税が最大6倍に増額されるほか、行政代執行費用の請求もあり得ます。
最低限の清掃、換気、防犯設備の設置で暫定的にリスクを減らしつつ、長期的な活用計画を立てることが重要です。
万一火災が発生すると、周辺住宅にも損害が及び、賠償額が数千万円規模になることもあるため、火災保険の継続加入も検討しましょう。
特定空家に指定される前に売却を検討
軽減措置が残る段階で売却すれば、持ち出しの固定資産税を最小限に抑えられます。
心理的瑕疵を告知しても、通勤利便性が高いエリアや再建築可能な整形地であれば投資家や建売業者の需要は少なくありません。
近年は、事故物件専門の買取サービスがオンライン査定から、最短数日で現金化する事例も増えており、維持管理に不安がある場合は早期売却が合理的です。
売却前に簡易清掃や荷物撤去をおこなうと内覧時の印象が良くなり、価格交渉を有利に進めやすくなります。
事故物件の固定資産税減額方法

事故物件に対しても、行政や税制上の優遇措置を活用すれば税負担の軽減が可能です。
以下では、3つの手段を紹介します。
各制度の適用可否や申請期限を確認し、使い分けることで長期的に数十万円単位の節税効果が期待できます。
課税標準額の見直しを申請する
老朽化や損傷が著しい場合は、固定資産評価審査委員会へ課税標準額の見直しを申請できます。
現地写真や修繕見積書など損傷を示す資料を添付し、固定資産評価審査委員会へ提出することで減額が認められる例があります。
審査結果は、翌年度課税分から反映されるのが一般的です。
申請期間は毎年度4月1日~9月30日、または納税通知書受領後3か月以内です。
書式と添付書類は市区町村のホームページで最新の様式を確認しましょう。
見直し審査は無料で申し立てできますが、却下された場合は再申請ができないため、資料の精度を高めてから提出することが重要です。
長期優良住宅へのリフォームによる軽減
長期優良住宅化リフォームでは、耐震補強や断熱性能の向上、省エネ設備の導入など複数要件を満たす必要があります。
認定を受けると、翌年度の建物分固定資産税が3分の2に減額されるほか、所得税控除や補助金との併用で費用対効果が高まる点も魅力です。
工事完了後3か月以内に認定申請と固定資産税減額申告をおこなう流れになるため、施工会社とスケジュールを共有しておきましょう。
自治体によっては、独自の補助金や低利融資を設けている場合もあるため、あわせて確認すると工事費の負担をさらに下げられます。
農地転用や用途変更による税負担の見直し
土地を農地や雑種地として認定されると評価額が宅地より大幅に下がり、年間の固定資産税を抑えられます。
農地転用の許可には、営農計画の提出や周辺環境への影響確認が求められ、雑種地化も都市計画法の制限を受けるため、事前に行政や専門家に相談することが欠かせません。
一時的な用途変更でも、翌年度から税額が減る可能性があるため、長期的に活用計画が定まらない場合の選択肢として有効です。
固定資産税のほか都市計画税も軽減される可能性があるため、複数年度にわたってどの程度効果が出るかシミュレーションすると判断しやすくなります。
まとめ
事故物件を相続しても固定資産税の免除は原則認められず、評価額に応じて課税されるため注意が必要です。
空き家のまま放置すると管理コストや近隣トラブルのリスクがあるため、早めの対応が求められます。
減額制度の活用や売却・活用の検討をおこなうことで、相続後の負担を軽減することができ、安心につなげられるでしょう。
他社で断られた物件を売却するなら「スグウル」へ
売主様の事情では、現地に行くのも嫌だ、、といったお客様も多数いらっしゃいます。
様々な悩みを抱えている売主様によりそって対応いたします!
お客様の方で、荷物を片づけたり、解体をしたりお手間を取らせることはございません。
もし他社様で雨漏り、訳あり物件の買取で費用を請求された場合や買取金額に納得いかない場合は、当社にご相談ください。
請求費用の減額や買取金額UPをできる限り頑張ります!
あきらめて、お金を払う前に一度スグウルにご相談ください